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2011年 出版

環境芸術学会での発表/2012年より 作品発表・口頭発表・パネル発表多数/学会より研究発表補助費の支援

 

自力更生車での活動内容の評価として。宇都宮大学教育学部美術教育講座本田吾郎氏論文(環境芸術学会 学会誌No.11に掲載)

吉田富久一による

“創造性のかたち”

 15年前に可動式仮設店舗の展開から始まった活動は、その後自力更生車を押し、ゲルを担いで各地へ出向き、その都度、恊働者を伴った。里山に設けた炭焼窯を駆使し、炭を焼き土器を焼いても、それを使う相手との共有が意識される。窯場には電気・ガス・水道は無く、あるものは赤土と山砂、気流に乗ってもたらされる天水、そして竹林である。だが、生命の息吹と人の気配は介在する。周囲の畑に散在する縄文の遺物に刺激を受け、改めて火焔土器や

焼町土器に注目して、驚いた。中空構造の突起は空冷式で、火種を入れたまま素手で持ち運べるし、天を仰ぐ頂点は水平に並び、陶板や石皿を乗せて調理に適う五徳を果すではないか。そこで、農や食に関わる土器をつくり、炭窯で素焼を試みた。先ずは「土器火鉢」、つづけて「狼煙砲」や「籾殻炊飯土器」と様々に縄文的触手が働いた。土器は台車に乗せ展示、穏やかな日和には庭へ押し出す。里山で採取したドングリや農家から提供を受けた収穫物を炭火で煮炊きし食すと、またもや恊働の必然に歓喜することだろう。閉塞する近代文明の行く先を案じ、未来への生き方について来場者とともに語り合う。このような働きかけの共有を“創造性のかたち” とした。社会芸術/造形作家 吉田 富久一

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