
【ユニット・ウルスとは】 ゲルを中心に活動した2011年の回遊美術館の際に社会芸術の目指す概念とウルスの概念が合致するとし、安部大雅によりユニット名「ウルス」が提案された。ウルスとは現代のモンゴル語で国家のことだが、古語においては「人の渦」を意味し、国境を持たぬ人々の自立的な集合を指す概念である。モンゴロイドの移動の経緯を考えると、この精神は列島に定住した縄文人へと伝えられ現代の私たちの記憶の奥底にも宿っていることと思われてくる。自立独立し一定の信頼関係を保ち連合を成してきた歴史的傾向である。ユニット・ウルス(渦)は創造性の根源を考え分かちあい共に体験し、そして智慧を発信することをめざしている。大地を介して自然を目の前にし触れる人と人とのコミュニケーションを重要視する。 「ユニット・ウルス」は必要に応じ運営会を設置し、リーダーを立てることができる。
【野良の藝術に至る経緯】 2002年吉田富久一の「社会芸術展 THE 市場」により、社会芸術は始まった。(発起当時社会芸術という概念構築を目的としてそのまま固有名詞とした。)初期には芸術の社会性をソーシャルキャピタルと捉え概念化する中で、いくつかの仕事を「自力更生車」と称するワゴンに積み、「メンコ屋六文堂」「Pizza Mobile」「七輪堂(台所車)」を仕立てて街に繰り出した。街の創造性とアートの創造性を重ねるねらいであった。 やがて炭焼きをはじめ、生きる基(もとい)としての農に着目。2011年にグループ名をウルスとし、最初に炭窯の作品を制作して以降、炭粘土による水の浄化機能を持つ作品や増えすぎる竹林の整備を兼ねた竹炭のオブジェや食物残渣等様々な廃棄物の炭作品を制作し、竹製のゲル(可動式住居)を各所に設え小屋会議を行う。2016年のTANBOプロジェクトではゲルの他、燻炭焼きを始めとして柳井嗣雄が中心となり、田んぼで20メートルの藁紙を漉いた。そして、農のあり方に現代社会が抱える問題を解決していく鍵が隠されていることを痛感する。それと同時に新潟や埼玉で土壌に有効なもみ殻野焼きや土器火鉢の制作を行う。その際のワークショップをも含め現場展として様々な企画を展開している。 2017年より有機農法を行うファーム・インさぎ山(さいたま市)に炭窯を設置し、次第に活動の輪を広げていく。さらに福島県の有機の里東和でのサジェッションとそこに息ずく里山の活力を体験することでいよいよ「野良の藝術」を開始した。 1万年以上もの間続いた縄文文化は「野良」という思想を後世に伝えている。 自然からの恵みを何ひとつ無駄にすることなく循環再生しながら自然の一部として生きる術を生み出し、無償の贈与としておもてなしと協働、助け合いを行う思考であり、かっては日本じゅうに存在し、今はその大方が失われた縄文思考をわたしたちは里山(=ふるさと)に、たどることができると考えている。 労働の概念が欧米とアジアで異なる。「野良」は労働の概念を伝える。野良の芸術のあるところでは人々が施す全ては自然と密着したものである。自然の一部として生きる術を編み出し良き生活をつくる創意工夫、自然の恩恵からよりすぐって整えていく術、その技そのものが芸術であり、野良であると考えている。
社会芸術 代表 2017-2022野良の藝術ユニット・ウルス/プロジェクトリーダー 社会芸術寺山支所炭焼の会事務局 美術家 吉田 富久一 よしだ ふくいち Fukuichi YOSHIDA
社会芸術/2020野良の藝術ユニット・ウルス プロジェクトリーダー 彫刻 安部 大雅 あべ たいが Hiromasa Tayga ABE
社会芸術/2021 野良の藝術ユニット・ウルス プロジェクトリーダー 建築 根本 賢 ねもと けん Ken NEMOTO
社会芸術/2024-2025野良の藝術ユニット・ウルス プロジェクトリーダー 彫刻 長谷川 千賀子 はせがわ ちかこ Chicako HASEGAWA
社会芸術/2023野良の藝術ユニット・ウルス プロジェクトリーダー 建築 長田 淳一 ながた じゅんいち Junichi NAGATA
社会芸術/野良の藝術 事務局 彫刻 衛守 和佳子 えもり わかこ Wakako EMORI
社会芸術/野良の藝術 和紙造形 柳井 嗣雄 やない つぐお Tsuguo YANAI
社会芸術/野良の藝術 映像 吉川 信雄 よしかわ のぶお Nobuo YOSHIKAWA
考古造形研究所 森山 哲和 もりやま てつかず Tetsukazu MORIYAMA
庭師 石井 国義 いしい くによし Kuniyoshi ISHII
インスタレーション 磯 益子 いそ ますこ Masuko ISO
社会芸術/ユニット・ウルス
事務局
社会芸術 代表
社会芸術寺山支所炭焼きの会事務局
吉田 富久一
よしだ ふくいち
Fukuichi YOSHIDA
planning team
1953 群馬県富岡市生れ
1978 多摩美術大学大学院修了
山岳地での生活経験を通し、自然(じねん)に在る絶対造形としての抽象を感受し制作活動を開始した。芸術の根源に自然を置く。金子英彦氏より芸術の社会性への示唆を授かる。
1981 第15 回現代日本美術展(東京都美術館、他)京都国立近代美術館賞
1987 群馬県内にアートハウスを設立~2001 まで企画活動。
1992 アートは楽しい(ハラ ミュージアム アーク/渋川市)
1996 日本の現代美術 “自然̶素材と表象”(エルサレム・アーティストハウス,エンハーロット美術館)
1998 第7 回ペーパーアートワークス国際ビエンナーレ “ペーパーアート7”(レオポルド= ホェーシ美術館/ドイツ)アートハウスの10 年展(ノイエス朝日、ペーパーテック1/前橋)
1998「ようこそアートハウスへ」出版。
1999 TOSA-TOSA’ 99(高知県立美術館)
2000「群馬における戦後・前衛美術運動の軌跡と行方」執筆・出版。
2002 プラザ・ギャラリー「社会芸術展“THE 市場”」企画に当たり “社会芸術” を設立。“創造性の共有” を標榜してユニット活動を開始。
2007 第1 回神戸ビエンナーレ2007(メリケン波止場/神戸市)
2008〈THE PAPER〉展(ジェビエル美術館, ソンバウィ美術館/ソウル. 韓国)
2011「自力更生車の旅」出版
2012 社会芸術「ウルスの泉」(プラザ・ギャラリー & 野外展示場/調布市)
2012「東西見聞録」出版
2013「ウルスの泉」にまとめ出版
2013 “もみ殻野焼き” と現代アート:現場展(川越の田圃/川越市)
2015 ISTA ビエンナーレ(いりや画廊/上野)
2020 「切り身になった今 」ISBN978-915790-45-4 を出版
作品収蔵:
京都国立近代美術館、群馬県立近代美術館、高崎市美術館、エン・ハロット美術館(ISL)、レオポルド・ホーチ美術館(DEU)、玉村町平和モニュメント(群馬県)、他 *お問い合わせ:〒206-0033 多摩市落合2-7-1-205 携帯090-8301-5811
炭窯には排煙口と焚き口が取り付けられる。窯の中で炭材(有機物)を焼くと、炭材を加熱すると分解が始まり、一旦着火すれば自らの発熱(400℃前後)で分解し続け、気化物質の木ガスを放出し、跡に非気化物質の炭を残す。収炭するには、この機に排煙口と焚き口を止めて完全密封し、冷却を待って収炭する。ところで、口止めせずに放置すれば、炭は燃焼(酸化)へと移行し、跡には非燃焼物の灰を残す。燃焼(酸化)熱は分解熱のおおよそ倍、それ以上の熱量を持ち、粘土焼成の可能な高温(800℃以上)が得られる。野焼きでの土器焼成は炭焼の応用として理解される。炭材の分解熱を利用して粘土中の結晶水をも分解し放出させ、引き続く燃焼で発する高熱を使って粘土分子が焼結に至るまで引っぱり、炭は完全に焼き切る。
野焼きでの燻炭焼きもまた炭焼の原理の応用である。カプセル構造の籾殻はケイ素含有量が多く固い。籾山の中への空気の侵入を拒み、着火後に燃え上がることなく熱分解を先行させる。しかも大方の分解終了までその温度を保ち燃焼温度に至らない。燃焼の始まる直前に強制冷却して収炭する。
非燃焼物である灰は各種ミネラルを含み、ともにケイ素を主成分に持つ大地を構成する。大地では水を得たバクテリアがはたらき、無機物から有機物が再生され、生命の基が宿る。組織されたあたらしい生命は、分解・燃焼して気化し放出した窒素、炭素、酸素、水素を大気から吸収(取り戻す)し、光エネルギーを受け成長する。土器ダクト制作を通して、循環・再生する原理が透視でき、環境への最小化(最適化)が図られる。
阿賀野RIVER龍神祭/新崎樽ばやし +生物の自然循環の時代へ
円錐形布作品 吉田富久一「大地の鼓動」をこちらからご覧になれます。

社会芸術 2011 あたらしい水/水を浄化する作品:蔵と現代美術展 川越 林家うなぎ店


