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西会津国際芸術村 2016.7.29-31

【おもてなし合戦】

 我々が西会津国際芸術村のグランドに到着したときには、既に山から薪が運ばれ積み上げられており、初っ端から一撃を食らったようでした。

 というのは、一ヶ月前(7/6)に事前の打ち合わせで訪問し、土地の方で以前から面識ある長谷沼朝子さんへ協力を仰ぎ、山の雑木を分けていただけることで話がまとまっていたのですが、その際に、彼女から石川藤一郎課長へ「都会の人たちを甘やかしてはいけないよ」とのアドバイスの一言でした(実は小生も、このご意見に同感でした)。それにも関わらず、課長は江田睦さんはじめ数名のスタッフを駆り出して炎天下での作業をこなし、我々の到着を待ち受けていたのです。さぞキツかったことだろうと思います。 

 しかも、この薪集めはウラ番組用に充てていたのですから、当然我々が切り出すべきで、そのつもりでノコギリ・軍手も用意していました。でも正直言うと、もしかしたら手伝っていただけるかもしれないと期待していたのも事実ですが、その期待を遥かに超える応対で、嬉しいかな不意打ちを浴びたのです。

 実は芸術村からの依頼では、半日の「『小さな土器を焼く』ワークショップ」であったのに対して、こちらが提案したウラ番組「野焼き実験」は3日を費やすもので、これまでの遣り取りを、矢部佳宏ディレクターに受け入れていただき、それだけでもありがたいことでした。この日のために我々は、考古造形の森山哲和さんややまんBの協力を仰いでユニット・ウルスを組み、盛り沢山のメニューを詰め込み提案しました。どんどん膨れ上がっていくことで、反って充実と散漫が同居しないかと、少々心配でもあったほどでした。

 初日の「野焼き実験」準備が滞りなくすすめられ、晩までに東京から二本松を経由したややまんB(加藤学、衛守和佳子、奥野美香)が到着。翌日の本番ワークショップ前には、森山哲和さんが川口敦さんを連れ立って合流し全員が揃いました。

 ワークショップ参加の方々は、予想したこども中心ではなく、意外にも多くは大人たち。我々のもたつきがあっても忍耐強く待ってくださる場面が多々あったことから想像するに、おそらく選りすぐりの面々に動員がかけられたのだと思えます。それは芸術村と生涯学習課そして地域おこし協力隊の総動員での対応はおもてなしの真髄でもありました。それにしても、このたびのワークショップを盛り上げようと、奮闘していただいたことは、誠に感謝の念につきません。

 我々が用意したのは、ワークショップ終了後の関係者パーティーだ。夕立の去った校庭には爽やかな涼が残り、それでも人々には熱気が冷めやまぬ。やまんBが準備してくれた、簡素であるが炭火を活かした思考がふんだんで嬉しい交流会に繋げられた。長谷沼夫妻も駆けつけていただけたのは嬉しかったし、矢部さん石川課長もソフトドリンクで居残って頂けました。様々に交流を深め、三々五々に解散していって、とても自然な成り行きに思えました。

結局、お騒がせ台風一過となり、面倒をおかけしただけだったのかもしれないと、少々気後れしてしまう始末です。そうさせてしまうほどにこの西会津芸術村の方々の意気込みがあり、その活気を満身に受けとめられた三日間でした。我々にとってここで出会った人々との交流が何よりの喜びであるのは言うまでもなく、おもてなしの合戦に火が放たれたことで、モチベーションの高鳴りとなって相乗していく「祭りの発生」を、そこに観ました。まさに縄文が、真夏の夜の夢として一つの事件となったのかもしれません。

 尚、この機会に、気がかりであった滝澤徹也くんの動向も確かめられ、充実した活動がすすめられていることが解り、安心しました。彼はさりげなく現れると、三日間を協力スタッフに加わり、最終日に町内に設定された紙漉きの館へも案内していただいた。また、幾つかの助言も頂けた。彼が西会津の地に確たるあゆみを始めたことは、ありがたいことです。

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